本記事では、フードクリエイターSTEAMBOY(コバ&テル)が作るホットドックについて紹介する。写真は、Dugup?主催の音楽イベント「Freaky Air Day - Vol.3」にSTEAMBOYが出店した際のもの。彼らが開発したSTEAMBOYオリジナルのホットドックは2種類あり、どちらも抜群に美味しい。さらに、味以外にも興味深い試みが盛り込まれているため、今回記事にさせてもらった。
STEAMBOYオリジナルホットドック
1つ目は、シカゴスタイル(Chicago-style)のホットドッグからインスパイアを受けたものだ。シカゴスタイルのホットドックについての詳細はWikipediaに譲るとして、簡単に説明すると、ケチャップを使わず、マスタード、ピクルス、玉ねぎのみじん切り、トマトでソーセージを挟んだものだ。STEAMBOYがこのシカゴスタイルを基に開発したオリジナルドックの主な特徴は以下の通りである。
バンズはパン屋に特注で作ってもらっている
ピクルスは自分たちの味を出すため、オリジナルのエキスに漬けている
きゅうりに加えて、ミョウガのピクルスを追加している
ケチャップがかかっていないホットドックは日本ではあまり馴染みがないかもしれない。STEAMBOYオリジナルのシカゴスタイルは、さっぱりとしつつ、肉、野菜、バンズの味と香りが口いっぱいに広がる仕上がりで、とても美味である。
続いて、2つ目はコニードッグ(Coney dog)からインスパイアを受けたものだ。コニードッグについても詳細はWikipediaに譲るが、簡単に説明すると、アメリカでギリシャ系移民が作ったスタイルのホットドッグで、ギリシャ風のミートソースをかけ、マスタードや玉ねぎをトッピングするものだ。さらに「チーズコニー」は、これにチェダーチーズの細切りを追加したものである。STEAMBOYがこのコニードッグを基に開発したオリジナルドックの主な特徴は以下の通り。
生ソーセージの上にホワイトソースをかけている
仕上げに削ったチェダーチーズを振りかけている
高知の肉屋に特注して作ってもらった生ソーセージの一級品を惜しみなく使用している
STEAMBOYオリジナルのコニードッグは、たっぷりのチーズがかかった見た目からは想像できないほどエアリーな食感で、雪解けのような味わいが特徴だ。特注の生ソーセージの柔らかな食感と、ほのかに香るハーブも全体に大きく影響している。
以上の2種類のSTEAMBOYオリジナルホットドックはどちらも非常に美味しいので、ぜひ食べてほしいところだ。しかし、彼らは店舗を持たず、都内を中心にイベントなどで不定期に出店している。そのため、STEAMBOYのホットドックを食べるにはイベント情報を待つしかない。
STEAMBOYの試みの興味深さ
ここまでは味や見た目について述べたが、STEAMBOYのオリジナルホットドックにはさらに興味深い点がある。それは、ただ味が美味しいホットドックを作るだけでなく、シカゴスタイルやコニードッグといった日本では馴染みの薄いホットドック文化を掘り下げ、自分たちのオリジナルとしてアレンジしている点だ。さらに、バンズやソーセージを特注し、製造者同士を「新しいホットドック開発」という軸でつなぎ合わせている。
「ごちそう(馳走)」とは、元々漢語で「馬で走り回る」ことを意味する言葉である。STEAMBOYは、自分たちの興味のある分野を掘り下げ、材料を探し、それらをつなぎ合わせてホットドックを生み出している。彼らは、食べ物を創る=フードクリエイターと呼ぶにふさわしい存在だ。この一連の作業は元々プロの料理人が担うものだが、それをインディペンデントに若者たちが取り組み始めている点に暁光を感じる。
まさにDugup?が求める「問い」に対する一つの答えがここにあるのではないだろうか。
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